1、そもそも機能分担は何のために行うか?
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そもそも組織はなぜ機能分担を行うのだろうか?
例えば、技術者が独立して個人事業を始めるとする。ところが技術は高いが対人がまるで苦手。営業なんて全然できない。結局まるで売上は上がらない。。。一方で、営業は得意だけど技術がない人がいる。この人も一人では経営が上手くいかない。ところが二人が一緒に組むとどうなるか?一人一人が別々にやっていた結果を足したよりも、はるかに大きな成果を出すことができる。1+1=2ではなく、3にも4にもなる。これが組織力の原点である。
逆に言えば、他の誰がやってもできないような高度な専門能力を持った人やグループ(これが「スペシャリスト」の意義)が集まった組織は、みんなが同じような種類の能力を持った組織よりも強い。しかし、いくら多様な能力を持った人が集まってもバラバラに動いていたのでは、プラスどころかボロボロである。そこで、それぞれの機能が統合的に動き、全体として最大効果を発揮できるよう指揮する人(これが「ジェネラリスト」の意義)がいて、初めて機能分担は成功する。
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2、担当職務のレベルが高ければ良い。万能じゃなくても構わない
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一人の人がすべての機能を一人でやるよりも効率が良いから分担する。例えば、全社員が自分の仕事の経理を兼ねるよりは、経理の専門家に集中させた方がクオリティも高いしコストも安い。各々でコンピューター環境整備のアウトソーシングを頼むより、会社としてシステム部門を持つ方がクオリティも高いしコストも安い。技術面は技術者に任せて、営業は営業部門に任せた方が良い。これが組織の意味である。だから、誰もが能力について万能である必要なんか全くない。営業力があれば論理性が弱くても構わない。技術に強ければ、挨拶が明るくハキハキしてなくても結構。企画ができるなら細かい作業がミスだらけでも結構。事務が仕事なら創造能力がなくてもいい。組織の中で期待されている機能を立派に果たせるなら、見事に有能な社会人である。そんな人に他の能力が欠けていることを偉そうに批判する奴がいたら、そいつこそが自分の前の籠だけ見て、背中の籠が見えていないバカ野郎だ。そんな勘違い野郎は叩いて良し。
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