I 入門編
  • Lesson1 声の表情
  • Lesson2
    「ありがとうございます」と「申し訳ございません」
  • タスク(第1回)
II 一般知識編
  • Lesson3
    基礎表現(序章)
  • Lesson4
    基礎表現(発信編)
  • Lesson5
    基礎表現(受信編)
  • タスク(第2回)
III 本編
  • Lesson6
    クイックレスポンス
  • Lesson7 言葉を選ぼう
  • Lesson8 傾聴
  • タスク(第3回)
  • Lesson9 ここで差がつく
  • Lesson10
    ストロークという名の魔法
  • Lesson11
    対応力を身につける
  • 修了アセスメント
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2003 翻訳/通訳会社グローヴァ
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  Lesson3 知らないと恥ずかしい基礎表現(序章)


講義
1 、どちらが罪?
まず会話A〜Cを聞いてみよう。
会話Aは、敬語は正確だが、好意や誠意が感じられない例。
会話Bは、敬語は正確ではないところがあるが、好意や誠意がこもっている例。

あなたが顧客だったら、どちらの対応の方に好印象を持つだろうか?多くの人は、会話Bの方に良い印象を持つはずだ。これから「知らないと恥ずかしい基礎表現」と題して、言葉使いや表現を学んでいくが、是非気をつけて欲しいことがある。それは、正確な言葉使いに気を捕らわれるあまり、好意と誠意という基本精神を忘れてしまわないようにということ。敬語は、本来は相手を大切にする気持ちを表すためのものであって、それに気を捕られて気持ちが伝わらなければ本末転倒だ。一般的な新入社員研修では、ともすると本来の目的が消えて、重箱の角をつつく間違い探しや知識の正確さを競うといった受験勉強的なものになってしまう傾向があるので注意が必要だ。

常に 正確な敬語 < 好意と誠意 ということを忘れないようにしよう。

さらに会話Cは、その上で言葉使いが正確な例である。会話Bと比べるとより洗練されたプロフェッショナルな印象となる。同じように誠意と好意があるならば、言葉使いが正確な方がさらに良いという意味だ。これから始める「? 一般知識編」はそういう前提の上で進めていく。以上をまとめると次のような順番となる。

正確な敬語 < 好意と誠意 < 好意と誠意&正確な敬語


2、基礎知識
  1. 自分は「わたくし」と呼ぶ。
  2. 外部に対しては、自社の社員は呼び捨て。「さん」「様」「役職」はつけない。社長を「○○社長」と呼ぶのは不可。役職を先にもってきて「社長の○○」ならOK。
  3. お客さんには「様」をつける。親しくなったら「さん」でもOK。
  4. 相手の名前、電話番号、その他大切なことは確認のための復唱をすること。 「では、繰り返させていただきます」と言った後、明るくはきはきと復唱しよう。
  5. 最低限の敬語
相手(尊敬語)
自分(謙譲語)
言う
おっしゃる
申し上げます
見る
ご覧になる
拝見いたします
来る・行く
いらっしゃる・おいでになる
お伺いいたします・参ります
いる
いらっしゃる
おります
する
なさる
させていただきます


練習しよう1
次のフレーズを、すらすら言えるように何度も声に出して読もう。

(現在−過去−疑問)
<言う:尊敬> おっしゃいます-おっしゃいました-おっしゃいますか?
<見る:尊敬> ご覧になります-ご覧になりました-ご覧になりますか?
<する:尊敬> なさいます-なさいました-なさいますか?

<言う:謙譲>

申し上げます-申し上げました-申し上げましょうか?
<見る:謙譲> 拝見いたします-拝見いたしました-拝見いたしましょうか?
<する:謙譲> させて頂く-させて頂きました-させていただきましょうか?


練習しよう2
「例文」のアイコンをクリックすると普通のことば使いの文章が流れます。その後で、「謙譲語にして下さい」または「尊敬語にして下さい」という指示がありますので、その指示にしたがって言い直して下さい。一定のインターバルを置いて模範解答が流れます。模範解答が流れる前に、すらすらと言えるように口を慣らそう。うまく言えなかったり、インターバルの時間内に言えなかったら、言えるようになるまで何回もチャレンジしよう。






練習しよう3
ダイアログボタンを押すと下記の会話が音声になって聞こえてきます。赤字で下線が引いてあるのが「あなた」のパートで、インターバルになっていますので、正しい言い方に直して言って見ましょう。それぞれのインターバルの後、模範解答が流れます。


<部長との会話>
部  長:山田課長にさっきの資料のこと言ってくれたかい?
あなた:はい、言いました。
部  長:課長は何と言っていた?
あなた:お客様が来るまでには完成すると言っていました。
部  長:そうか。ありがとう。
あなた: あと山田課長が、昨日渡した資料は見てくれたのかと、聞いていました。
上  司:今日の午前中までには見ておくと、伝えてくれ。
あなた: はい。では、山田課長には午前中までには見ると言っていたこを伝えます。
上  司:では、頼んだよ。
あなた:わかりました。




<お客様との会話>
お客様: 株式会社ABCの田中と申しますが、鈴木社長はいらっしゃいますか?
あなた: すみません。鈴木社長は出かけています。急ぎの用件ですか?
お客様:いや、別に急用ではないのですが…。
あなた: 本日鈴木社長は戻らない予定です。よければ伝言 聞きしましょうか?
お客様:では、明日で構いませんので電話が欲しいと伝えて下さい。
あなた: わかりました。株式会社ABCの田中さんですね。念のため、電話番号を押して下さい。
お客様:1234―5678です。
あなた:1234―5678ですね?
お客様:はい。
あなた: わたし、伊藤と言います。電話があったと伝えておきます。失礼いたします。