機会平等を徹底する
全社員が平等に機会を持てるよう徹底する。やる気があるのに、学校、経歴、肩書、容姿、国籍、性別年齢、肩書、家柄、貧富、知識、経験など、ありとあらゆる形式的な属性を理由にチャンスを閉ざすことはしない。「何を選択するか」という心の姿勢(→ My Choice )によってチャンスを制限することはある。
なお、機会平等の反対の結果平等(生産性に関わらずみんな同じ待遇にする)は、明確に否定する。生産性が違うのに同じ待遇にすれば、その待遇のラインより生産性が高い人は損なので去って行き、生産性が低い人は得なので集まって来る。すると生産性は落ち、待遇は落ち、さらにそのラインより生産性の高い人は去り、低い人が集まる。以下その繰り返しで、どこまでも生産性は落ちて、最後は必然的に崩壊する。
多様性は力である
能力・キャラ・価値観・経験・仕事スタイルなどの個性があること(多様性)をもって、良しとする。皆同じでなくてはならないという価値一元主義は、組織滅亡の道である。生物の進化論的にも多様性を失った種は絶滅しやすい。バラエティはあった方が良い。会社秩序を壊したり、人を意図的に傷つけたりしない限り、個性は大切にする。
自由・自立・自己責任を旨とする
官僚主義・封建主義を嫌う。社員自らが考え、自らが行動できるよう、不要な組織的制約を限界まで避けて自由な組織を指向する。社員は、経済的・社会的・精神的な自立(→ 3 つの自立 )ができていることを前提に組織・人事制度を設計する。手取り足取り小うるさいことはいわない分、各自の考え・行動の選択には責任を持ってもらう。(→ My Choice )
「出る杭は引き抜く」ポリシー
決められた方針、上長の考え、既存のやり方などに文句があっても、指揮命令系統や意思決定権限は遵守せねばならない。しかし、下からの見方の方が正しいことも往々にしてある。世の大きな進歩は異端から生じることも多い。だから、信念と覚悟のある反対意見なら大いに結構。「今のやり方はおかしい。私だったらもっと上手くできる」という人には、「ならやってみろ」と抜擢する。その信念を実績で証明してもらう。
思いやりと寛容の精神
封建的な組織は個をつぶす。言いたいことは言える、聞きたいことは聞けるという風土が大切だ。それを可能にするのは、思いやりと寛容の精神である。
柔軟性
ルール・マニュアル・業務指示は遵守せねばならないが、それが逆に硬直的なデメリットを生むのはまずい。明らかに現実に合わないケースについては、一定の要件をもって臨機応変な対応ができるようにすべし。
スピード
意思決定は、然るべき者によって然るべき検討が十分になされなければならないが、そのために、逆に業務に支障をきたすほどスピードが遅くなってはならない。
簡素化
管理統制を行うためには書類・手続き・規則が必要だが、これらを限界まで簡素化する。
以上が「最大限に個を活かす」だが、いくら個性を尊重するといっても、会社に著しく迷惑な個性を許容するわけにはいかない。自由な組織といっても、各自が思い思いに物事を決めたり、好き勝手に行動したりしていたらめちゃくちゃになる。組織として最低限の秩序は必要である。
|