I 入門編
  • Lesson1 声の表情
  • Lesson2
    「ありがとうございます」と「申し訳ございません」
  • タスク(第1回)
II 一般知識編
  • Lesson3
    基礎表現(序章)
  • Lesson4
    基礎表現(発信編)
  • Lesson5
    基礎表現(受信編)
  • タスク(第2回)
III 本編
  • Lesson6
    クイックレスポンス
  • Lesson7 言葉を選ぼう
  • Lesson8 傾聴
  • タスク(第3回)
  • Lesson9 ここで差がつく
  • Lesson10
    ストロークという名の魔法
  • Lesson11
    対応力を身につける
  • 修了アセスメント
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2003 翻訳/通訳会社グローヴァ
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  Lesson6 クイックレスポンス


講義
クイックレスポンスは、どのようなことばで気持ちを伝えるかという言葉の内容の問題とは違って、頻度とスピードという形式的な問題。しかし、それが故に主観によらず、如実に相手に対する誠意が問われてしまう。実際クレームのときに、ことば使いよりもレスポンスの遅さの方が、対応の悪さや誠意の無さとを責める理由として挙げられやすい。誰が聞いてもわかりやすいからだろう。

例えば、社員の対応についてのクレームでは、「おたくの社員は、自分の言ったことを<おっしゃいます>と言い間違えていたじゃないか! どうしてくれるんだ、一体!!」というようなクレームはあまりないが、「一週間前に問い合せしたのに、いつまでたっても見積りを出してこない。遅れるという連絡さえもない。どういうことなんだ? 誠意が感じられない!」という類のクレームは起りやすい。

それでは、どのような場合に、クイックレスポンスが問われるかを見てみよう。1と2は基本的なものなのでわりと誰でもできる。3と4が人によって差がつき、できる場合は賞賛され、できない場合はクレームのもとになる確率も高い。

1.電話受付
I. 電話の呼び出し音
1回鳴る内に出るのが基本。2回めになるとちょっともたついている感じがする。3回めになったら、「お待たせいたしました」、4回以上なら「大変お待たせいたしました」と先に謝っておく必要がある。

II. 電話の保留
電話を他の人にまわしたり、何かを調べるときに保留をするが、保留の時間は10秒以内。10秒を超えるなら、再度出て状況を説明し、どうするかを先方に伺うべし。
例: 「大変お待たせしており申し訳ございません。もう少し別の電話が長引きそうなのですが、どのようにさせていただきましょうか。電話が終わり次第、○○から折り返させていただきましょうか?」

III. 内線のたらいまわし
内線のたらいまわしは非常に感じが悪い。転送するのは1回だけ。2回めを転送するときは、丁重に謝ってから行うべき。

2.不在のときの折り返し電話
折り返し電話は素早ければ素早いほど良い。メッセージを承った人から折り返し電話のメッセージを伝えられたら、その場ですぐに電話すべし。仕事上の一般的なルールとして、上司やお客さんに「あれどうなった?」と言われたら負けと言えるが、折り返し電話でも同じことが言える。折り返し電話をすることになっていたにも関わらず、再度先方の方から電話があったら、大変な失態であるということを肝に銘ずるべし。それくらい大切なことである。

したがって、メッセージを承った人は、
I. 一刻も早くそれを名指し人に伝えるよう努力しないといけない。
II. 時間がたってしまったらどのくらいたったかも伝えること。
III. メモなどに残す場合は、名指し人がそれに気づいて折り返したかどうか確認するくらいの責任感を持ちたい。メモさえ残せば、後は他人ごとだ思わないように。折り返し電話が完了するまでは共同責任なのだ。

メッセージを伝えられた人は、
I. その場で即座に折り返すべし。迅速でさわやかなレスポンスは、誠意好意の見せ場だ。
II. そもそもメッセージを伝えられるまでに時差が生れてしまっている恐れがあるので、メッセージを受け取るときに、もとの電話はいつあったのかも確認しておく。特にメモの場合は注意を要する。
III. すでに随分時間が経ってしまっていることがわかったら、まずは「お電話が遅くなりまして申し訳ございません」から始めよう。誠意を込めた声で。


3.レスポンスの期日がある場合
返答、資料送付、見積り、納品などで、いついつまでにレスポンスをするという期日が約束されている場合は、当然のことながら期限厳守であり、それに間に合わないことは仕事のクオリティを問われることになる。しかしながら、現実問題としては、時には様々な理由によって、予定が遅れたりする仕方の無い場合もあり、基本的な信頼関係ができていれば先方からも許される場合もある。ところが、どんな場合でも絶対にしてはならない行為がある。
それは、何の連絡も無しに期日を過ぎてしまうことだ。
これだけは絶対にやってはならない。理由があって遅れるのは、誠意を持って説明すれば許されることがあるが、何の連絡もしないというのは、誠意自体が無いということになってしまう。期日までに間に合わない、遅れるとわかったら、なるべく早い時点で連絡して、許しを請うべきである。個人としては社会人生命に関わる、さらには、会社全体としての信頼にさえも関わる重大事である。

例: 「○日までにお送りすることになっておりました△△の件なのですが、誠に申し訳ないのですが、××な理由で少し遅れることになりそうなのです。○日までにはお送りできそうなのですが、それでもよろしいでしょうか? 申し訳ございません」

精一杯の誠意声で言うべきなのは言うまでもない。これを冷静沈着声で言われると、神経逆なで系になってしまい、誠意が無いと言われかねない。


4.期日がない時こそ勝負
いついつまでにという期日が決まっていない場合は、期日が決まっている場合に比べて、軽くみがちであるが、実はこちらの方がより慎重にならなければならない。期日の約束が無くとも、先方には先方なりの期待や予定があるからだ。「期日が決まっていない=無限」では無いのだ。そういう意味では期日がある時よりも、クイックレスポンスの見せ所であるし、逆に下手するとクレームになりやすい危険があるとも言える。例えば、3日間レスポンスをしないで置いていた場合、自分ではまだ遅くないと思っていても、先方は「いつまでも放置された」という長さかも知れないからだ。

I. ビジネス上のやりとりはキャッチボールのように、ボールが自分と先方との間を行き来する。常にボールがどちらにあるのかを注意し、ボールが自分の方にある時は気を抜いてはならない。

II. ボールが自分の方にある場合は、なるべく相手がいつまでにレスポンスを期待しているか確認するように。
例:「いつまでにご返答を差し上げたらよろしいでしょうか?」

III. 期日が決められない性質のもので「なるべく早い」レスポンスを期待されている場合、なるべく早いレスポンスを行うよう全力を尽くすべき。ここで注意しなくてはならないのは、レスポンスが遅れる時に何も連絡せずに放置せず、適時、経過報告を入れることである。まめな経過報告は、誠意ある対応として好意的に評価される。逆に経過報告を怠って、「あれどうなった?」と言われたらお終い。

IV. ビジネス上のやりとりはキャッチボールのように、ボールが自分と先方との間を行き来する。常にボールがどちらにあるのかを注意し、ボールが自分の方にある時は気を抜いてはならない。

V. ボールが自分の方にある場合は、なるべく相手がいつまでにレスポンスを期待しているか確認するように。
例:「いつまでにご返答を差し上げたらよろしいでしょうか?」

VI. 期日が決められない性質のもので「なるべく早い」レスポンスを期待されている場合、なるべく早いレスポンスを行うよう全力を尽くすべき。ここで注意しなくてはならないのは、レスポンスが遅れる時に何も連絡せずに放置せず、適時、経過報告を入れることである。まめな経過報告は、誠意ある対応として好意的に評価される。逆に経過報告を怠って、「あれどうなった?」と言われたらお終い。

VII. 経過報告の本来の目的は状況報告。状況が変化すると相手の意向も変化する可能性がある。そういう意味でもまめな経過報告は重要である。